火星まで飛んでいけそうなエモ屈指の名曲Attack
久々にエモを聴いた。
聴いたアルバムは30 SECONDS TO MARS - A Beautiful Lie。
いや、正確に言うなればまだ「アルバム」は聴いていない。
というのも、このアルバムの一曲目Attackには、急いでレビューを書かなければ、と思わせるほどの
即効性と果てしないパワーがあり、その熱気に当てられて今このレビューを書いているからだ。
無論、2曲目以降にも期待しているが、興奮が冷めぬうちにこの熱気を文字に変えてしまわないと気が済まないのだ。
まずはこの曲の流れを、イントロから時系列に沿って簡単に整理しよう。
やけに静かなイントロ
イントロのピコピコ打ち込みを聞いてPefumeしかりの中田ヤスタカ氏を初めとするエレポップを想像してしまうのは私だけではないだろう。
さらに耳を澄ませると、何かの予兆を示すようなシンセサイザーのストリングがバックに流れているのに気づく。
このバンドとは初対面となる我々は、これが一体どんなバンドでこれから何が始まるのか身構え、想像に胸が膨らむ。
総大将がセクシーボイスで語りけるAメロ
そんな心の準備に応えるかのように、0分10秒にさしかかったところでややハスキーがかかったセクシーボイスで
ギターボーカルのジャレッド・レトが優しく囁くように歌いかける。
それとほぼ同時にギター、ベース、ドラムが一気にバンドインする。
しかしここではベースがかなり前に出ているせいで、意識は楽器音の雑踏の中から
バンドの主役ともいえるギターを探しだすという耳の作業に神経を集中させる。
するとベースとの対面とやや遅れて、というよりそこにいたのに気づかなかっただけなのだが、
さっきまでのピコピコ音に、まるで寄り添うかのうようにぴったりとくっついたギター音が
徐々に後方から音響空間前方へと姿を現す。
音色はと言えば、まさにこれは「エモい」としか言いようがないほどの音作りを施してあり、エモバンドとしての相応の実力とポテンシャルを感じさせる。
そう、さっきまでそして今も耳の奥でなり続けている電子音は、ギターを呼び込むためのいわば布石だったのだ。
ここで初めてその周到さに驚き、それと同時にギターと打ち込みのハーモニーこそが、このバンドに不可欠な存在なのだと納得してしまう。
華麗に展開するBメロとその先にある答え
そして、0分23秒。
ボーカルの力強い掛け声によって突然Bメロが始まり、
そんな小難しいことを考えている固い頭をあざ笑うかのように美麗な旋律をたたみかける。
Aメロでパワーを抑えていたこのバンドの総大将とも言えるギターボーカルの持つ二つの音像が、あっという間に主役に躍り出ると共にバンドの真の実力が明らかになり、リスナーはサビへの期待を胸に心躍らせる。
そしてサビ。
高揚感、いや爆発感なのだろうか。感動のエクスタシーはふわりと火照った体を
宙へと、そうまるで火星へとさらっていく。
ここに来て初めて某氏が「火星まで浮揚するハイパースケールエモ」と評した意味が
熱を帯びた頭に冷静な理解とともに「納得」の二文字を描かせる。
もしかしたら賢明なリスナー諸氏は気づいてしまっているかもしれない。
この決定的なサビが始まる時刻・・・0分30秒
そう、それこそがまさにバンドタイトルの30 SECONDSの位置にあるのである。
それに気づいた瞬間、エモの素晴らしさに後頭部をガツンとやられてしまった。
・Attack - 30 Seconds to Mars
http://jp.youtube.com/watch?v=auSzvi_JSdE
CDよりは音質が落ちますがクラシックでもジャズでもなくエモなこの曲には無関係かもしれませんね。
はてダアルバムのリンクはどうやって貼るんだろー。調べときます。